定款の作り方

一般財団法人の作り方 300万円の財産と評議員のしくみ

監修:行政書士 渡邉 徳人

一般財団法人は、人の集まりではなく、拠出された財産に法人格を与える形の法人です。設立者が300万円以上の財産を出し、定款を作って公証人の認証を受け、登記をして設立します。評議員・理事・監事をそろえる必要があるなど、一般社団法人とはしくみが大きく違います。設立の流れ、定款に書くこと、機関のしくみ、費用をまとめました。

この記事のポイント

  • 一般財団法人は、設立者が300万円以上の財産を出して作る法人です。
  • 評議員3人以上・理事3人以上・監事1人以上が必要で、評議員会と理事会を置きます。
  • 定款は公証人の認証を受けます。印紙税はかかりません。
  • 設立の登記の登録免許税は6万円、定款の認証の手数料は5万円です。

一般財団法人とは

一般財団法人は、設立者が出した財産を、定款で決めた目的のために運用・管理する法人です。社員(会員)が集まって作る一般社団法人と違い、社員はいません。奨学金・研究の助成・文化財の管理など、財産を使って続けていく事業に向いています。

一般社団法人と一般財団法人の違い
一般社団法人
  • 人の集まりが法人になる
  • 社員2人以上で設立できる
  • 設立のときの財産は要らない
  • 理事1人以上から作れる
一般財団法人
  • 財産の集まりが法人になる
  • 設立者1人からでも作れる
  • 300万円以上の財産が要る
  • 評議員・理事・監事がそろって要る

一般社団法人の作り方は「一般社団法人の定款の作り方」で紹介しています。

評議員・理事・監事のしくみ

一般財団法人の機関
  • 評議員(3人以上):評議員会で、理事・監事を選んだり、定款の変更などを決めたりする。任期は原則4年
  • 理事(3人以上):理事会で業務を決め、代表理事を選ぶ。任期は2年
  • 監事(1人以上):理事の仕事や会計を確かめる。任期は4年
  • 兼ねられない:評議員は、理事・監事・職員を兼ねることができない

設立のときから、少なくとも7人(評議員3人・理事3人・監事1人)が必要です。評議員の任期は定款で6年まで延ばせます。大規模な法人は会計監査人も置きます。

定款に書くこと

一般財団法人の定款に必ず書くこと
  • 目的・名称・主たる事務所:名称には「一般財団法人」の文字を入れる
  • 設立者と財産:設立者の氏名・住所と、出す財産とその額
  • 役員の選び方:設立のときの評議員・理事・監事の選び方と、評議員の選び方・解任の方法
  • 公告の方法と事業年度:官報などの公告の方法と、事業年度

理事や理事会が評議員を選ぶ・解任するという定めや、設立者に剰余金や残った財産を分けるという定めは、効力がありません。

設立の流れ

一般財団法人の設立の流れ
  1. 1
    定款を作る設立者が、目的・財産・役員の選び方などを決めて定款を作る
  2. 2
    公証人の認証公証役場で定款の認証を受ける。電子定款でもよい
  3. 3
    財産を出す設立者が、300万円以上の財産を払い込む
  4. 4
    役員を選ぶ定款に従って評議員・理事・監事を選び、理事・監事が設立の手続きを調べる
  5. 5
    設立の登記決められた日から2週間以内に申請する。登記の日に法人が成立する

遺言で一般財団法人を作ることもできます。その場合は、遺言執行者が定款の作成などを行います。登記の申請は司法書士の業務で、行政書士は代わりに申請できません。

設立の費用

一般財団法人の設立のおもな費用
  • 定款の認証:公証人の手数料が5万円。謄本代が別に数千円
  • 印紙税:一般財団法人の定款には印紙税がかからない
  • 設立の登記:登録免許税が6万円
  • 出す財産:300万円以上(費用ではなく、法人の財産になる)

設立のあと、2期続けて決算の純資産が300万円を下回ると、法人は解散します。事業の計画は、財産を保てるように立てましょう。電子定款と認証については「電子定款と定款認証」で紹介しています。

税金の扱い

一般財団法人は、定款で剰余金を分配しないことを定めるなど、一定の要件を満たすと「非営利型の法人」として、収益事業から生じた所得だけに法人税がかかります。要件を満たさないと、株式会社と同じようにすべての所得に法人税がかかります。設立者が財産を出すときの税金も含めて、くわしくは税理士にご相談ください。

一般財団法人の定款づくりや、設立の段取りを相談できる専門家は、このサイトの地図から探せます。

一般財団法人の設立をご自身で進めたい方には、手順と書式をまとめた「一般財団法人設立キット」(外部サイト)もあります。

出典:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(第5条・第152条〜第155条・第157条・第161条・第163条・第170条・第173条・第174条・第177条・第202条・第302条)、公証人手数料令(第35条)、登録免許税法別表第一、法人税法(第2条第9号の2)

よくある質問

一般財団法人を作るには、いくら必要ですか?

設立者が出す財産として300万円以上が必要です。このほか、定款の認証の手数料5万円、設立の登記の登録免許税6万円などがかかります。

一般財団法人は1人で作れますか?

設立者は1人でもかまいません。ただし、評議員3人以上・理事3人以上・監事1人以上をそろえる必要があります。

一般財団法人の定款に印紙は要りますか?

要りません。印紙税がかかるのは会社の定款で、一般財団法人の定款にはかかりません。

評議員と理事は兼ねられますか?

兼ねられません。評議員は、理事・監事・職員を兼ねることができません。

財産が減ったら、どうなりますか?

2期続けて決算の純資産が300万円を下回ると、法人は解散します。

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