定款の作り方
株主総会の開き方 定時株主総会の流れと書面で決める方法
株式会社は、毎年の決算のあとに定時株主総会を開き、決算の承認などを行います。株主が少ない会社では、実際に集まらず、株主全員の同意で書面により決める方法もよく使われます。招集の手続き、決議の種類、議事録の作り方、書面で決めるときの注意をまとめました。
この記事のポイント
- 株式会社は、毎年の決算のあとに定時株主総会を開きます。必要なときは臨時株主総会も開けます。
- 招集の通知は、譲渡制限がある会社なら原則1週間前まで。株主全員が同意すれば、招集の手続きを省けます。
- 議案に株主全員が書面などで同意すれば、集まらずに決議したものとみなせます(書面決議)。
- 総会のあとは議事録を作り、本店に10年間置いておきます。
定時株主総会と臨時株主総会
株主総会は、株主が集まって会社の大事なことを決める場です。毎事業年度の終わりのあと、決まった時期に開くものを定時株主総会、それ以外に必要に応じて開くものを臨時株主総会といいます。定時株主総会は、決算日から3か月以内に開く会社が多く、法人税の申告の期限とあわせて日程を組みます。
合同会社には株主総会はありません。合同会社の大事なことは、社員(出資者)の同意などで決めます。
定時株主総会で決めること
- 決算の承認:貸借対照表・損益計算書などの計算書類を承認する
- 事業の報告:取締役が、その年の事業の様子を報告する
- 役員の選任:任期が終わる役員がいれば、次の役員を選ぶ
- 配当・役員報酬:配当をするときや、役員報酬の上限を決めるとき
役員の任期は「定時株主総会の終わりまで」と決まっていることが多く、選任を忘れると登記が遅れます。くわしくは「役員の任期が来たときの手続き」で紹介しています。
株主総会を開くまでの流れ
- 1開くことを決める日時・場所・議題を、取締役(取締役会を置く会社は取締役会)が決める
- 2決算書類を置く計算書類・事業報告を、総会の1〜2週間前から本店に置いておく
- 3招集の通知を出す譲渡制限がある会社は、原則として総会の1週間前までに株主へ知らせる
- 4総会で決議する議長を決め、議題ごとに決議する
- 5議事録を作る議事録を作り、本店に10年間置く。役員が変われば2週間以内に登記する
取締役会を置かない会社は、定款で通知の期間を1週間より短くでき、通知も口頭や電話でかまいません。取締役会を置く会社は、書面(同意があれば電子メールなど)で通知し、決算書類も添えます。違いは「取締役会を置くかどうかの決め方」で紹介しています。
株主全員が同意すれば、招集の手続きを省いて、すぐに総会を開けます。ただし、書面や電子投票で議決権を使えるようにしている会社は省けません。
決議の種類
- 普通決議:議決権の過半数を持つ株主が出席し、その過半数で決める。役員の選任・決算の承認など
- 特別決議:議決権の過半数を持つ株主が出席し、その3分の2以上で決める。定款の変更・解散など
- 特殊決議:株主の半数以上が出席し、議決権の3分の2以上で決める。株式に譲渡制限を付けるときなど
- 定款で変えられる:出席の要件は定款で変えられる。ただし役員の選任や特別決議は、3分の1より下げられない
集まらずに書面で決める方法
取締役や株主が議案を出し、その議案に株主全員が書面か電子メールなどで同意すると、その議案を可決した株主総会の決議があったものとみなされます。これを書面決議(みなし決議)といいます。株主が1人や家族だけの会社では、毎年の定時株主総会をこの方法で行うことも多くあります。
- 全員の同意が要る:1人でも反対や返事がなければ、書面決議にはならない
- 同意書を残す:株主の同意書面を、10年間本店に置いておく
- 議事録も作る:決議があったとみなされた日などを書いた議事録を作る
- 報告も省ける:取締役が報告事項を全員に知らせ、全員が同意すれば報告も省ける
書面決議でも定時株主総会を開いたことになり、決議があったとみなされた日が役員の任期などの基準になります。
議事録の作り方
株主総会の議事録には、開いた日時と場所、議事の経過のあらましと結果、出席した役員の名前、議長の名前、議事録を作った取締役の名前などを書きます。議事録は本店に10年間置き、株主や債権者から求められたら見せます。役員の変更や定款の変更の登記では、議事録と、株主の名前・持ち株数などを書いた「株主リスト」を添えます。
総会のあとにすること
定時株主総会で決算を承認したら、決算公告を行います(「公告の方法の決め方」参照)。役員の選任や定款の変更をしたときは、2週間以内に変更の登記をします。登記の申請は司法書士の業務で、行政書士は代わりに申請できません。定款の変更は「定款の変更が必要になるとき」で紹介しています。
株主総会の開き方や、定款の定め方を相談できる専門家は、このサイトの地図から探せます。
出典:会社法(第124条・第295条〜第300条・第309条・第318条〜第320条・第341条・第437条・第438条・第440条・第442条・第915条)、会社法施行規則(第72条)、商業登記規則(第61条)
よくある質問
定時株主総会はいつまでに開きますか?
法律で何か月以内とは決まっていませんが、決算日を基準日にしている会社が多いため、決算日から3か月以内に開くのが一般的です。法人税の申告の期限ともあわせます。
招集の通知はいつまでに出しますか?
株式に譲渡制限がある会社は、原則として総会の1週間前までです。取締役会を置かない会社は、定款でさらに短くできます。株主全員が同意すれば、招集の手続きを省けます。
株主が1人の会社でも株主総会は必要ですか?
必要です。株主全員の同意で書面により決議したものとみなす方法(書面決議)を使えば、集まらずに済みます。議事録は作ります。
株主総会の議事録はどのくらい保存しますか?
総会の日から10年間、本店に置いておきます。書面決議の同意書面も10年間置いておきます。
合同会社にも株主総会はありますか?
ありません。合同会社では、社員(出資者)の同意などで大事なことを決めます。
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