定款の作り方
合同会社から株式会社に変えるとき 組織変更の手続き・期間・費用
合同会社で始めたあと、取引先からの信用や、出資を受けやすくするために株式会社に変えたいときは、会社をたたまずに「組織変更」で株式会社になれます。会社の財産や契約はそのまま引き継がれますが、債権者に知らせる手続きがあるため、1か月以上の期間が要ります。手続きの流れ、期間と費用、変えたあとに変わることをまとめました。
この記事のポイント
- 合同会社は、組織変更で、会社をたたまずに株式会社になれます。財産や契約は引き継がれます。
- 社員全員の同意で組織変更計画を決め、1か月以上の期間を決めて債権者に知らせます。
- 登記の登録免許税は、合わせて最低6万円です。公証人による定款の認証は要りません。
- 株式会社になると、役員の任期や決算公告など、守る決まりが増えます。
組織変更とは
組織変更は、会社の形を合同会社から株式会社に変える手続きです。新しく株式会社を作り直すのとは違い、同じ会社のまま形だけが変わるため、会社の財産・借入れ・取引先との契約・従業員との雇用などは、そのまま引き継がれます。合同会社の社員は、株式会社の株主になります。
- 取引先からの信用:取引の条件や入札などで、株式会社であることを求められる
- 出資を受けやすい:株式を発行して、外部から出資を受けやすくなる
- 人を採用しやすい:求人のときに、会社の形を気にする人もいる
- 事業の承継:株式を引き継ぐ形で、後継者に会社を渡しやすい
株式会社と合同会社の違いは「株式会社と合同会社の違い」で紹介しています。
組織変更の流れ
- 1組織変更計画を作る株式会社の商号・目的・定款・取締役・社員に渡す株式の数・効力が生じる日などを決める
- 2社員全員の同意効力が生じる日の前日までに、社員全員の同意を得る
- 3債権者に知らせる官報に公告し、分かっている債権者には個別に知らせる。期間は1か月以上
- 4株式会社になる計画で決めた日に、株式会社になる
- 5登記をする2週間以内に、合同会社の解散と株式会社の設立の登記を同時に申請する
官報に加えて、定款で決めた日刊新聞紙か電子公告でも公告すると、債権者への個別の通知を省けます。異議を述べた債権者がいれば、返済するか担保を出すなどの対応が要ります。登記の申請は司法書士の業務で、行政書士は代わりに申請できません。
期間と費用
債権者に知らせる期間が1か月以上必要で、官報に載せるまでにも日数がかかるため、計画を作り始めてから登記までは、2か月ほどを見込みます。組織変更では、株式会社の定款について公証人の認証は要りません。
- 株式会社の設立の登記:登録免許税は資本金の0.15%。最低3万円
- 合同会社の解散の登記:登録免許税3万円
- 官報公告:掲載料として数万円ほど
- 会社の印鑑:株式会社の名前の印鑑を作り、法務局に届け出る
組織変更の直前の資本金を超える部分は、0.7%で計算します。官報の公告については「公告の方法の決め方」で紹介しています。
株式会社になって変わること
- 役員の任期:取締役の任期があり、任期が来るたびに登記が要る
- 決算公告:毎年、貸借対照表を公告する
- 株主総会:大事なことは株主総会で決め、議事録を残す
- 名前の入れ替え:銀行口座・許認可・看板・名刺などを株式会社の名前に直す
役員の任期は、株式の譲渡制限があれば最長10年まで延ばせます(「役員の任期が来たときの手続き」参照)。名前を直すものは「会社の名前を変えるとき」も参考にしてください。
税金と許認可
組織変更をしても会社は同じなので、税務署・都道府県・市町村には異動の届出を出します。税金の上では、事業年度は組織変更で区切られずに続きます。くわしくは税理士にご相談ください。許認可を持っている会社は、許可によって変更の届出で足りるものと、別の手続きが要るものがあるため、計画を作る前に窓口に確かめておきます。
組織変更の段取りや、株式会社の定款づくり、許認可の届出を相談できる専門家は、このサイトの地図から探せます。
合同会社から株式会社への組織変更をご自身で進めたい方には、手順と書式をまとめた「組織変更手続きキット(合同会社から株式会社)」(外部サイト)もあります。
出典:会社法(第2条第26号・第743条・第746条・第747条・第779条・第781条・第920条)、登録免許税法別表第一
よくある質問
合同会社から株式会社に変えられますか?
変えられます。組織変更という手続きで、会社をたたまずに株式会社になれます。財産や契約はそのまま引き継がれます。
組織変更には、どのくらいの期間がかかりますか?
債権者に知らせる期間が1か月以上必要で、官報に載せる準備の日数もかかるため、全体で2か月ほどを見込みます。
組織変更の費用はいくらですか?
登録免許税は、株式会社の設立の登記が資本金の0.15%(最低3万円)、合同会社の解散の登記が3万円で、合わせて最低6万円です。ほかに官報の掲載料などがかかります。
組織変更のとき、定款の認証は要りますか?
要りません。株式会社の定款は組織変更計画で決め、公証人の認証は受けません。
組織変更のあと、税金の事業年度はどうなりますか?
税金の上では、組織変更で事業年度は区切られずに続きます。届出や申告については税理士にご相談ください。
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