定款の作り方

会社をたたむとき 解散と清算の流れ・費用と休眠という選び方

監修:行政書士 渡邉 徳人

事業をやめて会社をたたむときは、株主総会で解散を決め、財産と借入れを整理する「清算」を終えて、はじめて会社がなくなります。官報で債権者に知らせる期間があるため、少なくとも2か月以上かかります。解散と清算の流れ、かかる費用、会社を残しておく「休眠」との違いをまとめました。

この記事のポイント

  • 会社をたたむには、解散を決めたあと、財産と債務を整理する清算を終えて登記します。
  • 債権者に知らせる官報公告に2か月以上かかるため、全体で2か月以上の期間が要ります。
  • 登記の登録免許税は合わせて4万1千円。ほかに官報の掲載料などがかかります。
  • また事業を始めるかもしれないなら、会社を残して休眠させる方法もあります。

解散と清算とは

解散は、会社が事業をやめて、たたむ手続きに入ることです。解散しても会社はすぐにはなくならず、「清算株式会社」として、取引を終わらせ、売掛金を回収し、借入れなどを返し、残った財産を株主に分けます。この清算がすべて終わり、清算結了の登記をして、会社がなくなります。

株式会社は、株主総会の特別決議で解散できます。ほかに、定款で決めた存続期間が終わったときや、合併・破産のときにも解散します。合同会社は、原則として社員全員の同意で解散します。

解散から清算結了までの流れ

株式会社の解散と清算の流れ
  1. 1
    解散を決める株主総会の特別決議で解散を決め、清算人を選ぶ(多くは今の取締役)
  2. 2
    解散の登記2週間以内に、解散と清算人の登記をする
  3. 3
    債権者に知らせる官報に2か月以上の期間を決めて公告し、分かっている債権者には個別に知らせる
  4. 4
    財産を整理する財産目録などを作って株主総会で承認し、回収と返済をして、残りを株主に分ける
  5. 5
    決算報告の承認清算の決算報告を作り、株主総会で承認を受ける
  6. 6
    清算結了の登記承認から2週間以内に登記し、会社がなくなる

官報公告の期間中は、原則として債権者に返済できません。登記の申請は司法書士の業務で、行政書士は代わりに申請できません。

かかる費用

会社をたたむときのおもな費用
  • 解散の登記:登録免許税3万円
  • 清算人の登記:登録免許税9千円
  • 清算結了の登記:登録免許税2千円
  • 官報公告:解散の公告の掲載料として、数万円ほど

このほか、専門家に頼むときの報酬や、税金の申告の費用がかかります。解散した事業年度と、清算の確定の申告など、税金の申告は解散のあとも続くため、税理士にご相談ください。

あわせて出す届出

解散・清算にあわせて出すおもな届出
  • 税務署・都道府県・市町村:解散と清算結了のそれぞれで、異動の届出を出す
  • 年金事務所:社会保険をやめる届出を出す
  • 労働基準監督署・ハローワーク:従業員がいれば、労働保険・雇用保険の届出を出す
  • 許認可の役所:廃業の届出を出す。建設業許可なら30日以内

会社を残しておく「休眠」という選び方

しばらく事業を休むだけで、また始めるかもしれないなら、会社を解散せずに休眠させる方法もあります。税務署・都道府県・市町村に、事業を休んでいることを届け出ます。

解散・清算と休眠の違い
解散・清算
  • 会社がなくなる
  • 2か月以上かかり、登記の費用がかかる
  • そのあとの登記や申告は要らない
休眠
  • 会社は残り、また始められる
  • 休む届出だけで、すぐできる
  • 役員の任期ごとの登記と申告は続く

休眠中も、役員の任期が来たら変更の登記が要り、税金の申告も続きます。最後の登記から12年たった株式会社は、届出をしないと法務局の手続きで解散したものとみなされます(みなし解散)。

たたむ前に確かめておくこと

解散の前のチェック
  • 債務を返せるか:財産より借入れが多いときは、通常の清算はできず、特別清算や破産を考える
  • 契約の整理:事務所の賃貸借・リース・取引先との契約を、いつ終えるか
  • 従業員のこと:退職の時期と、給与・退職金の支払い
  • 許認可の扱い:事業を引き継ぐ人がいれば、許可を引き継げるかも確かめる

財産より借入れが多いときの手続きは、弁護士にご相談ください。清算が終わる前なら、株主総会の特別決議で会社を続けることもできます。

解散・清算の段取りや、許認可の廃業の届出を相談できる専門家は、このサイトの地図から探せます。株主総会の手続きは「株主総会の開き方」、官報の公告は「公告の方法の決め方」、役員の任期は「役員の任期が来たときの手続き」で紹介しています。

解散・清算の手続きをご自身で進めたい方には、手順と書式をまとめた「株式会社解散・清算手続きキット」(外部サイト)もあります。

出典:会社法(第471条〜第473条・第475条・第476条・第478条・第492条・第499条・第500条・第507条・第510条・第641条・第644条・第660条・第926条・第928条・第929条)、登録免許税法別表第一、建設業法(第12条)

よくある質問

会社をたたむには、どのくらいの期間がかかりますか?

債権者に知らせる官報公告に2か月以上の期間が要るため、解散から清算結了の登記までは、少なくとも2か月以上かかります。

解散と清算の登記の費用はいくらですか?

登録免許税は、解散3万円、清算人の選任9千円、清算結了2千円で、合わせて4万1千円です。ほかに官報の掲載料などがかかります。

解散したら、すぐに会社はなくなりますか?

なくなりません。財産と債務を整理する清算を終え、清算結了の登記をしたときに会社がなくなります。

事業を休むだけなら、解散しなくてもよいですか?

会社を残して休眠させる方法もあります。ただし、役員の任期が来たときの登記や税金の申告は続き、最後の登記から12年たつとみなし解散の対象になります。

借入れが財産より多いときも、同じ手続きでたためますか?

通常の清算はできず、特別清算や破産などの手続きになります。弁護士にご相談ください。

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