会社設立
会社設立のあとの届出 税務署・自治体・社会保険・労働保険の期限と出し方
会社の設立登記が終わったら、税務署・都道府県・市区町村・年金事務所などへの届出が続きます。期限が5日から3か月までと幅があり、出し忘れると税金や保険で不利になるものもあります。期限の早い順の流れ、届出の先ごとの書類、電子でまとめて出せる「法人設立ワンストップサービス」、許認可や銀行口座のことまでまとめました。
この記事のポイント
- いちばん早い期限は社会保険の5日以内。役員報酬を払う会社は、役員1人でも加入します。
- 税務署へは、法人設立届出書(2か月以内)と青色申告の承認申請書を出します。
- 国税・地方税・社会保険などの届出は、法人設立ワンストップサービスで電子でまとめて出せます。
- 許認可が要る事業は、営業を始める前に許認可を取ります。
期限の早い順の流れ
- 15日以内:社会保険年金事務所へ健康保険・厚生年金の新規適用届。役員や従業員の資格取得届も
- 210日以内:労働保険従業員を雇ったら、労働基準監督署へ労働保険、ハローワークへ雇用保険の届出
- 31か月以内:給与の支払い税務署へ給与支払事務所等の開設届出書。役員報酬だけでも出す
- 42か月以内:法人設立届出書税務署へ。定款の写しなどを添える
- 53か月以内など:青色申告設立から3か月を過ぎる日と、最初の事業年度が終わる日の、早いほうの前日まで
都道府県・市区町村への法人設立の届出は、自治体ごとに期限が決まっています(設立から1か月以内などが多い)。本店のある自治体のホームページで確かめましょう。
税務署への届出
- 法人設立届出書:設立から2か月以内。必ず出す
- 青色申告の承認申請書:赤字の繰越しなど、税金で有利な扱いを受けるために出す
- 給与支払事務所等の開設届出書:役員報酬や給与を払うとき。開設から1か月以内
- 源泉所得税の納期の特例:給与を受ける人が常に10人未満なら、源泉所得税を半年ごとにまとめて納められる
- インボイスの登録申請:取引先にインボイスを出すなら。設立した期から登録するには、その期の終わりまでに申請する
- 棚卸資産・減価償却の方法:法律で決まった方法以外を選ぶときに届け出る
青色申告の承認申請書は、期限を過ぎると最初の事業年度を青色申告にできません。消費税やインボイスの届出は、選び方で税金が変わります。どれを出すかは、設立の前後から税理士に相談しておくと安心です。
都道府県・市区町村への届出
法人住民税と法人事業税のため、本店のある都道府県(都税事務所・県税事務所など)と市区町村に、法人設立の届出をします。東京23区は、都税事務所への届出だけで足ります。添付する書類は、定款の写しと登記事項証明書などで、自治体によっては登記事項証明書の代わりに会社法人等番号を書けば済むところもあります。
支店や営業所を、本店と別の自治体に置くときは、その自治体にも届け出ます。
社会保険と労働保険
- 役員報酬を払うなら、社会保険の新規適用届と資格取得届
- 労働保険・雇用保険は不要(役員は原則として対象外)
- 社会保険の届出に加えて
- 労働基準監督署へ労働保険の保険関係成立届(10日以内)
- ハローワークへ雇用保険の適用事業所設置届(10日以内)
雇用保険は、週20時間以上働く見込みの従業員などが対象です。社会保険・労働保険の手続きは、社会保険労務士に依頼することもできます。
電子でまとめて出す:法人設立ワンストップサービス
国のマイナポータルの「法人設立ワンストップサービス」を使うと、税務署・都道府県・市区町村への届出と、年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへの届出を、オンラインでまとめて出せます。同じ内容を何度も書かずに済み、役所に足を運ぶ必要もありません。
- マイナンバーカード:代表者のカードで電子署名をする
- 読み取りの道具:カードを読めるスマートフォンか、ICカードリーダー
- 登記が終わっていること:会社法人等番号を入力する
- 添付するファイル:定款の写しなどをPDFで用意する
あわせて、国税の電子申告(e-Tax)と地方税の電子申告(eLTAX)の利用も始めておくと、毎年の申告や納付を電子で済ませられます。
届出のほかに済ませること
- 許認可:許認可が要る事業は、営業を始める前に取る
- 銀行口座:登記事項証明書・印鑑証明書・代表者の本人確認書類などで開く
- 会計の準備:会計ソフトや記帳の方法を決め、領収書を残す
- 実質的支配者リスト:法務局で保管してもらえる(任意)。口座開設で役立つことがある
会社の印鑑や印鑑カードのことは「会社の印鑑の作り方」、設立までの流れは「株式会社の設立の流れと費用」で紹介しています。
設立のあとの許認可の手続きまで相談できる専門家は、このサイトの地図から探せます。
出典:法人税法(第122条・第148条)、所得税法(第216条・第230条)、消費税法、国税庁「法人設立届出」・「青色申告の承認申請」・「給与支払事務所等の開設届出」・「源泉所得税の納期の特例」・「インボイス制度」、デジタル庁「法人設立ワンストップサービス」、日本年金機構「新規適用の手続き」、厚生労働省「労働保険の成立手続」・「雇用保険の適用事業所設置届」、地方税法
よくある質問
設立のあと、最初に出す届出は何ですか?
期限がいちばん早いのは社会保険の新規適用届で、5日以内です。役員報酬を払う会社は、役員1人でも加入します。
法人設立届出書の期限はいつですか?
設立から2か月以内に、本店の所在地を管轄する税務署へ出します。
青色申告の承認申請はいつまでですか?
設立から3か月を過ぎる日と、最初の事業年度が終わる日の、早いほうの前日までです。過ぎると最初の事業年度は青色申告にできません。
届出はオンラインでまとめて出せますか?
マイナポータルの法人設立ワンストップサービスで、税務署・自治体・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへの届出をまとめて出せます。
役員だけの会社でも労働保険は必要ですか?
役員は原則として労働保険・雇用保険の対象外のため、従業員を雇うまでは不要です。社会保険は、役員報酬を払うなら必要です。
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