定款の作り方

役員の任期が来たときの手続き 任期の数え方・重任の登記・忘れたとき

監修:行政書士 渡邉 徳人

株式会社の役員には任期があり、同じ人が続けるときも、任期が来るたびに株主総会で選び直して登記をします。忘れると過料を受けることがあり、長く放っておくと会社が解散したものとみなされることもあります。任期の数え方、選び直しと登記の手続き、任期の管理のしかた、忘れていたときの対応までまとめました。

この記事のポイント

  • 取締役の任期は原則2年。株式の譲渡制限がある会社は、定款で最長10年にできます。
  • 同じ人が続けるときも、任期が来たら株主総会で選び直し、2週間以内に登記します(重任の登記)。
  • 登録免許税は1万円(資本金1億円を超える会社は3万円)です。
  • 登記を忘れると過料のおそれがあり、最後の登記から12年たつと解散したものとみなされることがあります。

役員の任期の決まり

会社の形ごとの役員の任期
  • 株式会社の取締役:原則2年。譲渡制限がある会社は定款で10年まで延ばせる
  • 株式会社の監査役:原則4年。譲渡制限がある会社は定款で10年まで延ばせる
  • 一般社団法人の理事:2年。定款で短くはできるが、延ばせない
  • 合同会社・特例有限会社:任期がないため、任期ごとの登記は要らない

任期の数え方

任期は、ちょうど何年後の日に終わるのではありません。「選ばれてから2年(10年)以内に終わる事業年度のうち、最後の事業年度についての定時株主総会が終わるとき」までです。

3月決算・任期2年の会社の例
  1. 1
    2025年6月の定時株主総会取締役に選ばれる
  2. 2
    最後の事業年度2年以内に終わる最後の事業年度は、2027年3月に終わる年度
  3. 3
    2027年6月の定時株主総会この総会が終わるときに任期が満了する

設立のときの取締役の任期も、同じように数えます。定時株主総会を開く時期は、定款で決めた時期(事業年度の終わりから3か月以内など)です。

任期が来たときの手続き

役員の任期満了の手続き
  1. 1
    任期が来る役員を確かめる登記事項証明書と定款の任期で、満了する総会を確かめる
  2. 2
    定時株主総会で選ぶ同じ人を選び直すか、新しい人を選ぶ
  3. 3
    代表取締役を決める取締役会のある会社は取締役会で。定款の決め方に従う
  4. 4
    2週間以内に変更登記株主総会の議事録・株主リスト・就任承諾書などを添える

同じ人が続けて就任することを「重任」といいます。重任でも、役員の変更登記が必要です。登記の申請はご自身で行うか、司法書士に依頼します。行政書士は登記の申請の代理はできません。

登記を忘れるとどうなるか

任期の登記を忘れたときに起こること
  • 過料:登記を怠ると、代表者が100万円以下の過料を受けることがある
  • 選任を怠った状態:任期が切れたまま新しく選ばないでいると、そのこと自体も過料の対象になる
  • みなし解散:最後の登記から12年たった株式会社は、届出をしないと解散したものとみなされる
  • 許認可・取引:登記事項証明書の役員が古いままだと、許認可の更新や銀行の手続きで止まることがある

任期を10年にしている会社は、前の登記から時間がたって忘れやすくなります。一般社団法人は、最後の登記から5年でみなし解散の対象になります。

忘れていたことに気づいたら

任期が切れていたことに気づいたら、できるだけ早く株主総会を開いて役員を選び、変更登記をします。登記の申請には、本来の任期が満了した日と、新しく選んだ日の両方を書くため、議事録や登記の書き方には注意が要ります。過料の通知は、裁判所から代表者の個人あてに届きます。

法務局からみなし解散の通知が届いたときは、期限のうちに「まだ事業を廃止していない」旨の届出をするか、役員の変更登記をすれば、解散とみなされずに済みます。

任期の管理のしかた

任期を忘れないための工夫
  • 一覧表をつくる:役員ごとに就任日と、任期が満了する総会の時期を書く
  • 予定表に入れる:満了の年の定時株主総会の前に、通知が来るよう登録する
  • 決算のときに確かめる:毎年の決算と定時株主総会のときに、任期を見直す習慣にする
  • 任期の長さを見直す:10年が長すぎるなら、定款で短くして管理しやすくする

定款で任期を変えると、今の役員の任期にも新しい長さが当てはまります。短くした結果、すでに任期が過ぎている役員がいると、その役員は退任することになるため注意が必要です。

任期の長さの決め方は「株式会社の定款の作り方」、定款を変える手続きは「定款の変更が必要になるとき」で紹介しています。役員の任期や定款の見直しを相談できる専門家は、このサイトの地図から探せます。

出典:会社法(第332条・第336条・第346条・第472条・第915条・第976条)、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(第66条・第149条)、登録免許税法別表第一、商業登記規則第61条、法務省「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」

よくある質問

同じ人が続けて取締役をするときも登記は必要ですか?

必要です。任期が来たら株主総会で選び直し、2週間以内に役員の変更登記(重任の登記)をします。

取締役の任期は何年にできますか?

原則2年です。株式の譲渡制限がある会社は、定款で最長10年まで延ばせます。

役員の変更登記の費用はいくらですか?

登録免許税は1万円です。資本金が1億円を超える会社は3万円です。

任期の登記を忘れていたらどうなりますか?

代表者が100万円以下の過料を受けることがあります。最後の登記から12年たつと、解散したものとみなされることもあります。

合同会社にも役員の任期はありますか?

ありません。合同会社や特例有限会社には任期がないため、任期ごとの登記は要りません。

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