定款の作り方

支店を置くとき 支店の登記と届出・営業所との違い

監修:行政書士 渡邉 徳人

本店とは別の場所に拠点を作るときは、支店として登記するか、登記しない営業所として運営するかを考えます。支店を置いたときは、本店の所在地で登記をし、税や社会保険の届出も出します。許認可が必要な事業では、拠点ごとに要件があることもあります。支店の手続き、費用、届出、許認可との関係をまとめました。

この記事のポイント

  • 支店は、本店とは別に営業の拠点となる場所です。置いたら2週間以内に登記します。
  • 支店を置くことは取締役(取締役会を置く会社は取締役会)が決めます。ふつうは定款を変える必要はありません。
  • 登録免許税は支店1か所につき6万円です。登記は本店の所在地の法務局だけで済みます。
  • 許認可が必要な事業では、拠点ごとの要件や届出を先に確かめます。

支店とは

会社法では、本店とは別に、会社の営業の拠点となる場所を支店といい、支店を置いたら登記します。登記した支店は、会社の登記事項証明書に所在地が載ります。一方で、拠点を作っても支店として登記せず、「営業所」「事業所」などの名前で運営する会社も多くあります。

支店として登記するか、しないか
支店として登記する
  • 登記事項証明書に所在地が載る
  • 支店ごとに支配人を置いて登記できる
  • 登記の費用と、変えるたびの登記が要る
営業所として運営する
  • 登記事項証明書には載らない
  • 登記の費用はかからない
  • 税・社会保険・許認可の届出は必要

支店として登記するかどうかにかかわらず、人を雇ったり事務所を置いたりすると、税や社会保険の届出は必要です。どちらにするかは、拠点の役割や取引先との関係を考えて決めます。

支店を置く手続き

支店を置くときの流れ
  1. 1
    置くことを決める取締役の過半数(取締役会を置く会社は取締役会)で、所在地と置く日を決める
  2. 2
    支店の登記置いた日から2週間以内に、本店の所在地の法務局に申請する
  3. 3
    役所への届出税務署・都道府県・市町村、社会保険・労働保険の届出を出す

登録免許税は支店1か所につき6万円です。以前は支店の所在地でも登記が要りましたが、いまは本店の所在地での登記だけになりました。定款に支店のことを書いている会社は、定款の変更も要ります。登記の申請は司法書士の業務で、行政書士は代わりに申請できません。

支店を置いたあとの届出

拠点を作ったときのおもな届出
  • 税務署:支店で給与を払うなら、給与支払事務所等の開設の届出を1か月以内に出す
  • 都道府県・市町村:事業所を置いた届出を出す。法人住民税の均等割は、事業所のある市町村ごとにかかる
  • 年金事務所:社会保険は本店でまとめるか、支店ごとに手続きするかを決める
  • ハローワーク:支店で雇用保険の手続きをするなら、適用事業所の設置届を10日以内に出す
  • 労働基準監督署:支店で人を雇うなら、労働保険の届出を出す
  • 取引先・銀行など:支店の住所や連絡先を知らせ、必要なら口座を作る

会社を作ったときの届出は「会社設立のあとの届出」で紹介しています。

許認可が必要な事業では

拠点を作るときの許認可の確認
  • 建設業:契約などをする拠点は営業所となり、営業所ごとに要件を満たす技術者などが要る
  • 都道府県をまたぐ:建設業で2つ以上の都道府県に営業所を置くと、国土交通大臣の許可が要る
  • 宅地建物取引業:支店ごとに専任の宅地建物取引士や、営業保証金などが要る
  • 古物商:営業所ごとに管理者を置き、営業所を増やすときは届出をする

許認可の要件は、支店として登記するかどうかではなく、その拠点で何をするかで決まります。拠点を作る前に窓口や専門家に確かめておくと安心です。くわしくは「許認可が必要な事業で会社を作るとき」で紹介しています。

支店をやめるとき・移すとき

支店をやめるときも、取締役(取締役会を置く会社は取締役会)が決め、2週間以内に支店の廃止の登記をします。登録免許税は3万円です。支店を別の場所へ移すときは、支店の移転の登記をします(1か所につき3万円)。税や社会保険、許認可の届出もあわせて出します。本店を移すときは「本店を移転するとき」で紹介しています。

支店の登記や、拠点ごとの許認可を相談できる専門家は、このサイトの地図から探せます。

支店の設置をご自身で進めたい方には、手順と書式をまとめた「株式会社支店設置キット」(外部サイト)もあります。

出典:会社法(第10条・第348条・第362条・第911条・第915条・第918条)、登録免許税法別表第一、所得税法(第230条)、雇用保険法施行規則、建設業法(第3条・第7条)、宅地建物取引業法(第25条・第31条の3)、古物営業法(第7条・第13条)

よくある質問

支店を置くとき、登記は必要ですか?

支店を置いたら、2週間以内に本店の所在地の法務局で登記します。登録免許税は支店1か所につき6万円です。

支店を置くのに、株主総会や定款の変更は要りますか?

ふつうは要りません。取締役の過半数(取締役会を置く会社は取締役会)で決めます。定款に支店のことを書いている会社は、定款も変えます。

支店の所在地の法務局でも登記しますか?

いまは要りません。以前は支店の所在地でも登記が必要でしたが、本店の所在地での登記だけになりました。

支店と営業所はどう違いますか?

会社法では、営業の拠点となる場所を支店といい、登記します。拠点を作っても支店として登記せず、営業所などとして運営する会社も多くあります。どちらでも、税や社会保険の届出は必要です。

支店をやめるときは、どうしますか?

取締役などで決め、2週間以内に支店の廃止の登記をします。登録免許税は3万円です。税や許認可の届出もあわせて出します。

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