定款の作り方
一般社団法人の定款の作り方 必ず書くこと・機関の決め方・認証と費用
一般社団法人は、設立時の社員2人以上で定款を作り、公証役場の認証を受けて設立します。株式会社と違い、利益を社員に分けることはできず、定款に書くことも少し違います。必ず書く7つのこと、理事や理事会の決め方、認証の手数料と実費、電子定款にする意味までまとめました。
この記事のポイント
- 一般社団法人は、設立時の社員2人以上で定款を作り、公証役場の認証を受けます。
- 必ず書くことは7つ。社員の資格の得喪や公告の方法、事業年度も必ず書きます。
- 利益や残った財産を社員に分ける定めは書いても無効です。
- 実費は、認証の手数料5万円と登録免許税6万円で約11万円。紙の定款でも印紙は要りません。
株式会社の定款との違い
- 発起人1人から作れる
- 利益を株主に配当できる
- 紙の定款は印紙4万円
- 登録免許税は最低15万円
- 設立時の社員が2人以上要る
- 利益を社員に分けられない
- 紙の定款でも印紙は不要
- 登録免許税は6万円
一般社団法人の「社員」は、法人の構成員(会員)のことで、従業員のことではありません。設立したあとに社員が1人になっても、法人は続きます。社員が1人もいなくなると解散します。
必ず書くこと(絶対的記載事項)
- 目的:法人が行う事業。公益的なものに限らず、収益事業も書ける
- 名称:「一般社団法人」の文字を入れる
- 主たる事務所の所在地:市区町村までの書き方でよい
- 設立時社員の氏名・住所:法人も設立時社員になれる
- 社員の資格の得喪:社員になる条件、やめるとき・資格を失うときの決まり
- 公告の方法:官報・新聞・電子公告・主たる事務所の掲示場への掲示から選ぶ
- 事業年度:1年を超えない範囲で決める
1つでも欠けると定款として無効です。社員の資格の得喪は、株式会社にはない一般社団法人ならではの事項です。入会の承認のしかたや、会費を払わないときの扱いなども、ここで決めておきます。
書いても無効になること
次のような定めは、書いても効力がありません。
- 剰余金・残余財産の分配:社員に、利益や解散したときに残った財産を受け取る権利を与える定め
- 議決権の全部を奪う:社員総会で決める事項の全部について、社員の議決権をなくす定め
- 法律で決める事項を外す:法律で社員総会が決めることを、理事などが決めるとする定め
- 理事の任期を延ばす:理事の任期を、法律の2年より長くする定め
解散したときに残った財産を、国や公益法人などに渡すと定めておくかどうかは、税金の扱い(非営利型法人になれるか)に関わります。理事の親族の割合などにも要件があるため、設立の前に、税理士に相談しておくと安心です。
機関の決め方
一般社団法人には、社員総会と理事1人以上が必ず要ります。そのうえで、理事会・監事・会計監査人を置くかを定款で決めます。
- 社員総会+理事1人以上
- 少人数で運営しやすい
- 大事なことは社員総会で決める
- 理事3人以上・監事1人以上が要る
- 業務の決定は理事会で行う
- 役員の顔ぶれが外から見えやすい
理事の任期は2年(定款で短くできる)、監事の任期は4年(定款で2年まで短くできる)です。株式会社のように10年に延ばすことはできません。
決めておきたいこと
- 会費:入会金や年会費を取るか。取るなら、金額は規程で決める形にしておくと変えやすい
- 社員総会の決め方:招集の時期・方法、議決権の数
- 代表理事:理事が複数のとき、誰が法人を代表するか
- 基金:返す約束で集めるお金(基金)を募るかどうか
認証と設立の費用
- 定款認証:5万円
- 定款の謄本:2,000円ほど
- 収入印紙:紙の定款でも0円
- 登録免許税:6万円
合計で約11万円です。法人の印鑑や証明書の費用、専門家の報酬は別にかかります。
一般社団法人の定款は、印紙税がかからないため、紙でも電子でも印紙は要りません。それでも電子定款にすると、公証役場とのやり取りをオンラインで進められ、ウェブ会議で認証を受けられます。定款の認証のときには、株式会社と同じく、実質的支配者の申告もします。
設立までの流れ
- 1基本事項を決める名称・目的・事務所・設立時社員・機関・事業年度
- 2定款を作る設立時社員の全員が署名か記名押印(電子定款なら電子署名)
- 3公証役場で認証を受ける主たる事務所の都道府県の公証役場で。実質的支配者の申告も
- 4設立時理事などを選ぶ定款で決めていなければ、設立時社員が選ぶ
- 5設立登記を申請する主たる事務所の法務局へ。申請した日が設立日
株式会社と違い、出資の払込みはありません。設立登記の申請はご自身で行うか、司法書士に依頼します。行政書士は登記の申請の代理はできません。
一般社団法人の定款づくりと電子定款に対応する専門家は、このサイトの地図から探せます。
出典:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(第5条・第10条・第11条・第13条・第15条・第16条・第35条・第48条・第60条・第61条・第66条・第67条・第131条・第148条・第239条・第331条)、公証人手数料令、印紙税法別表第一、登録免許税法別表第一、日本公証人連合会「定款認証」Q&A、法人税法施行令第3条
よくある質問
一般社団法人は1人で作れますか?
設立には社員が2人以上必要です。設立したあとに社員が1人になっても、法人は続きます。
一般社団法人の定款に必ず書くことは何ですか?
目的・名称・主たる事務所の所在地・設立時社員の氏名と住所・社員の資格の得喪・公告の方法・事業年度の7つです。
一般社団法人の設立にはいくらかかりますか?
定款認証の手数料5万円、謄本2,000円ほど、登録免許税6万円で、約11万円です。紙の定款でも印紙は要りません。
一般社団法人は利益を出してもよいですか?
収益事業を行って利益を出すことはできます。ただし、利益を社員に分配することはできません。
理事の任期は何年ですか?
2年です。定款で短くすることはできますが、株式会社のように10年に延ばすことはできません。
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