電子定款

定款認証をウェブ会議で受ける手順 準備するもの・当日の流れ・代理人に頼む場合

監修:行政書士 渡邉 徳人

電子定款の認証は、2024年3月から、原則として公証役場に行かずにウェブ会議で受ける形になりました。電子署名やオンラインでの申請など、紙の定款とは準備が違います。必要なもの、公証役場との事前の確認から当日のウェブ会議、認証済みの定款の受け取りまでの流れと、行政書士などの代理人に頼む場合をまとめました。

この記事のポイント

  • 電子定款の認証は、原則としてウェブ会議で受けます。公証役場に出向く必要はありません。
  • 定款のPDFに電子署名をして、オンラインで認証を申請します。
  • 当日は、公証人と画面越しに本人確認をして、定款の内容を確かめます。
  • 電子署名の準備が難しいときは、行政書士などの代理人に頼むのが一般的です。

紙の定款の認証との違い

紙の定款と電子定款の認証の受け方
紙の定款
  • 公証役場に出向いて認証を受ける
  • 発起人が実印を押す
  • 収入印紙4万円を貼る
電子定款
  • 原則としてウェブ会議で認証を受ける
  • PDFに電子署名をする
  • 印紙は要らない

ウェブ会議ではなく、公証役場に出向いて電子定款の認証を受けたいときは、公証役場に相談します。

準備するもの

自分で認証を受けるときの準備
  • 定款のPDF:定款をPDFにしたもの。公証役場の事前の確認が済んだ内容で作る
  • 電子署名の道具:マイナンバーカードの署名用の電子証明書と、カードの読み取りの道具
  • 申請のソフト:法務省の登記・供託オンライン申請システムを使うためのソフトと利用者の登録
  • 実質的支配者の申告書:会社を実質的に支配する人と、暴力団員などでないことを申告する
  • ウェブ会議の環境:カメラとマイクのあるパソコンやスマートフォン、安定した通信
  • 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真つきのもの

発起人が複数いるときは、全員が電子署名をするか、代表の人や代理人に委任します。PDFに電子署名をするソフトも必要です。

認証を受けるまでの流れ

電子定款の認証の流れ
  1. 1
    公証役場に連絡する本店の都道府県の公証役場へ。ウェブ会議での認証を受けたいと伝える
  2. 2
    定款の案を確認してもらう定款の案と実質的支配者の申告書などをメールなどで送り、内容を確かめてもらう
  3. 3
    PDFに電子署名する確認が済んだ定款をPDFにし、電子署名をする
  4. 4
    オンラインで申請する登記・供託オンライン申請システムで、電子定款の認証を申請する
  5. 5
    ウェブ会議で認証を受ける予約した日時に参加し、本人確認と内容の確認をする
  6. 6
    認証済みの定款を受け取る電子データをダウンロードし、手数料を納める。書面で登記するなら紙の謄本も

公証役場によって、事前の確認のしかたや、手数料の納め方、謄本の受け取り方が違うことがあります。最初の連絡のときに確かめておきましょう。

当日のウェブ会議

予約した日時になったら、公証役場から案内されたウェブ会議に参加します。公証人が、画面越しに本人確認書類と顔を確かめ、定款の内容に間違いがないか、本人の意思で作ったものかを確認します。実質的支配者についても確かめられます。時間は、内容に問題がなければ15分から30分ほどです。

当日の前に確かめておくこと
  • 接続の確認:ウェブ会議のソフトが使えるか、カメラとマイクが動くか
  • 静かな場所:本人確認ができる明るさで、ほかの人が映りこまない場所
  • 手元の書類:本人確認書類と、定款の内容を見られるもの
  • 参加する人:発起人の全員か、委任を受けた人が参加する

つまずきやすいところ

よくあるつまずきと防ぎ方
  • 住所や氏名の書き方:発起人の住所・氏名は、印鑑証明書のとおりに書く。番地の書き方の違いで直しが入りやすい
  • 確認前に署名する:公証役場の事前の確認が済む前に電子署名をすると、直したときに署名をやり直すことになる
  • 電子署名がつかない:PDFのソフトやカードの読み取りがうまく動かないことがある。日に余裕をもって試す
  • 日程が合わない:公証役場は平日の日中だけ。発起人全員が参加するなら、早めに日時を決める

設立日を決めているときは、認証の日から登記の申請までの日数も考えて、早めに公証役場に連絡しておきましょう。

代理人に頼む場合

マイナンバーカードの電子署名や、オンライン申請の準備は、一度だけのために揃えるには手間がかかります。そのため、電子定款の作成と認証の手続きは、行政書士などの代理人に頼むのが一般的です。代理人に頼むと、代理人が自分の電子証明書で電子署名をし、オンラインでの申請とウェブ会議への参加も代理人が行います。

代理人に頼むときに用意するもの
  • 委任状:定款の内容を記載し、発起人が実印で押印する
  • 印鑑証明書:発起人の全員分(3か月以内のもの)
  • 本人確認:発起人の運転免許証の写しなどを求められることがある
  • 実質的支配者の情報:申告に必要な氏名・住所・生年月日など

設立登記の申請はご自身で行うか、司法書士に依頼します。行政書士は、定款の作成と認証の手続きを担当し、登記の申請の代理はできません。

電子定款の認証をウェブ会議で代理できる専門家は、このサイトの地図から探せます。手数料や紙の定款との違いは「電子定款と定款認証」で紹介しています。

出典:会社法第30条、公証人法第62条の2〜第62条の8、指定公証人の行う電磁的記録に関する事務に関する省令、日本公証人連合会「定款認証」Q&A・「ウェブ会議による電子定款の認証」、法務省「登記・供託オンライン申請システム」

よくある質問

電子定款の認証は、公証役場に行かなくても受けられますか?

受けられます。2024年3月から、電子定款の認証は原則としてウェブ会議で受ける形になりました。

自分で電子定款の認証を受けるには何が必要ですか?

定款のPDF、マイナンバーカードなどによる電子署名、登記・供託オンライン申請システムの準備、実質的支配者の申告書、ウェブ会議ができる環境と本人確認書類などです。

ウェブ会議の時間はどれくらいですか?

内容に問題がなければ15分から30分ほどです。

代理人に頼むと何を用意すればよいですか?

定款の内容を記載し実印を押した委任状と、発起人全員の印鑑証明書などです。電子署名・申請・ウェブ会議は代理人が行います。

認証された定款はどうやって受け取りますか?

電子データをオンラインでダウンロードします。書面で登記を申請するなら、紙の謄本も受け取ります。受け取り方は公証役場に確かめましょう。

電子定款認証の疑問や不安は、お近くの専門家にご相談ください。ご依頼は各専門家と直接契約、中間マージンはありません。

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