定款の作り方

取締役の追加と辞任 手続きと登記の注意点

監修:行政書士 渡邉 徳人

事業が大きくなって取締役を増やすときや、取締役が辞めるときは、株主総会の決議や本人の書類をそろえて、2週間以内に登記をします。辞めることで役員の人数が足りなくなる場合は、後任が決まるまで辞任の登記ができないなど、気をつけたい点もあります。追加と辞任の手続き、登記に添える書類、許認可への影響をまとめました。

この記事のポイント

  • 取締役を増やすときは、株主総会の決議で選び、本人の就任承諾書をもらって登記します。
  • 取締役は、会社に伝えればいつでも辞任できます。ただし人数が足りなくなるときは、後任が就任するまで役員の義務が続きます。
  • 役員が変わったら2週間以内に登記します。登録免許税は資本金1億円以下なら1万円です。
  • 許認可を持っている会社は、役員の変更の届出と、許可の要件を満たし続けられるかを確かめます。

取締役を増やすとき

取締役を追加するときの流れ
  1. 1
    定款を確かめる定款で決めた取締役の人数の上限や、任期の定めを確かめる
  2. 2
    株主総会で選ぶ株主総会の普通決議で選び、議事録を作る
  3. 3
    就任を承諾する選ばれた人から、就任承諾書をもらう
  4. 4
    変更の登記就任した日から2週間以内に、役員の変更の登記をする

定款の人数の上限を超えるときは、株主総会の特別決議で定款も変えます。株主総会の手続きは「株主総会の開き方」で紹介しています。

登記に添えるおもな書類

取締役を追加するときの添付書類
  • 株主総会議事録:取締役を選んだ決議の議事録
  • 株主リスト:株主の名前・持ち株数・議決権の数などを書いたもの
  • 就任承諾書:取締役になることを承諾した書面
  • 本人の証明書:取締役会がない会社は印鑑証明書、ある会社は住民票の写しなど

取締役会を置かない会社では、取締役の就任承諾書に実印を押し、印鑑証明書を添えます。取締役会を置く会社では、新しい取締役の本人確認のため、住民票の写しなどを添えます。代表取締役が変わるときは、さらに書類が増えます。

新しい取締役の任期

途中で加わった取締役の任期は、原則として、その人が選ばれたときから数えます。そのため、前からいる取締役と任期の終わりがずれ、登記の時期がばらばらになることがあります。定款に「増員で選ばれた取締役の任期は、ほかの取締役の任期が終わるときまでとする」と書いておくと、任期をそろえられます。任期の管理は「役員の任期が来たときの手続き」で紹介しています。

取締役が辞めるとき

取締役は、会社に辞める意思を伝えれば、いつでも辞任できます。会社の承諾は要りません。辞任届を出してもらい、辞任の日から2週間以内に登記します。

取締役が辞めるときの注意
  • 辞任届をもらう:辞任の日を書いた辞任届が、登記に必要になる
  • 人数が足りなくなるとき:法律や定款の人数を下回るなら、後任が就任するまで辞任の登記はできない
  • 代表取締役が辞めるとき:次の代表取締役を決め、会社の印鑑の届出もし直す
  • 解任するとき:株主総会の普通決議で解任できるが、正当な理由がないと損害の賠償を求められることがある

取締役会を置く会社は取締役3人以上が要るため、3人のうち1人が辞めるときは、後任を選ぶか、取締役会をやめるかを考えます。取締役会については「取締役会を置くかどうかの決め方」で紹介しています。

費用と期限

役員の変更の登記の登録免許税は、資本金が1億円以下の会社なら1万円、1億円を超える会社なら3万円です。追加と辞任を同時に登記しても、この額は変わりません。登記の期限の2週間を過ぎると、代表者が100万円以下の過料を受けることがあります。登記の申請は司法書士の業務で、行政書士は代わりに申請できません。

許認可を持っている会社は

役員が変わったときの許認可の確認
  • 変更の届出:多くの許認可で、役員が変わったら届出が要る。期限が短いものもある
  • 新しい役員の確認:新しい役員が、許可を受けられない人に当たらないかを確かめる
  • 要件になっている役員:建設業許可の経営の経験者など、要件を満たす人が辞めないか
  • 辞める前に段取り:要件を満たす人が辞めるときは、代わりの人を先にそろえる

許可の要件を満たす役員が辞めると、許可を続けられなくなることがあります。辞任や交代の予定があるときは、早めに専門家に相談しましょう。許認可と会社の関係は「許認可が必要な事業で会社を作るとき」で紹介しています。

役員の追加・辞任の段取りや、許認可の届出を相談できる専門家は、このサイトの地図から探せます。

取締役の追加をご自身で進めたい方には、手順と書式をまとめた「株式会社役員追加キット」(外部サイト)もあります。

出典:会社法(第329条・第330条・第331条・第332条・第339条・第341条・第346条・第911条・第915条・第976条)、民法(第651条)、商業登記規則(第61条)、登録免許税法別表第一

よくある質問

取締役を増やすには、どうすればよいですか?

株主総会の普通決議で選び、本人から就任承諾書をもらって、2週間以内に役員の変更の登記をします。定款の人数の上限を超えるときは、定款も変えます。

取締役は、会社が認めなくても辞められますか?

辞められます。会社に辞める意思を伝えれば辞任でき、会社の承諾は要りません。

取締役が辞めて人数が足りなくなるときは、どうなりますか?

後任が就任するまで、辞めた取締役に役員としての権利と義務が残り、辞任の登記もできません。早めに後任を選びます。

役員の変更の登記の費用はいくらですか?

資本金1億円以下の会社なら登録免許税は1万円、1億円を超える会社なら3万円です。

許認可を持っている会社で役員が変わったら、何が必要ですか?

許可を出した役所への変更の届出が要ることが多くあります。許可の要件を満たす役員が辞めるときは、代わりの人を先にそろえておく必要があります。

電子定款認証の疑問や不安は、お近くの専門家にご相談ください。ご依頼は各専門家と直接契約、中間マージンはありません。

お近くの専門家を探す